経営にも営業にも共通して言えることは、きちんとした知識を蓄え、それを使って成功行動を積み重ねていかなければならないということです。

 

経営者もマネージャーも社員も、常にニュートラルな考え方・状態でいなければなりません。

私が行動経済学で一番重要だと考えるのは、バイアスという観念です。

バイアスとは本来統計学上の言葉で、

 

『バイアス』= 偏り

 

のことです。

心理学的には、「偏見」「先入観」「思い込み」などと定義されます。

 

例えば、女性に「私の年齢を当ててみて」と言われたとしましょう。

30歳くらいに見える女性に対して、普通は「35歳くらい」とは答えませんよね。

「25歳くらい?」

この時点で、「女性に対して見かけの年齢より年上に言うのは失礼にあたる」というバイアスが働いたと言えます。

 

このバイアスには色々なものがあります。

私が考える、経営者が知っておかなければならない重要なバイアスは下記になります。

 

1.損失回避バイアス(プロスペクト理論)

  利益と損失が同額であれば、利益から得る快感より損失による苦痛の方を

  大きく感じる。

 

2.現状維持バイアス

  強力な動機が無いと人間は現状を変えない

  物事がうまく回っていたら、新しい方法を試そうとは思わない。

 

3.同調バイアス

  人間は多数派の意見にとりあえず合わせようとする傾向がある。

  周りと違う意見・姿勢を貫くことは非常に難しい。

 

4.コンコルド効果(サンクコスト、埋没費用)

  ある対象への、金銭的・精神的・時間的投資をし続けることが損失につながる

  と分かっているにも関わらず、それまでの投資を惜しみ投資をやめられない状態。

 

5.自己奉仕バイアス

  成功を当人の内面的または個人的要因に帰属させ、失敗を制御不能な

  状況的要因に帰属させること。

  成功を自分の手柄にし、失敗の責任を取らない人間の一般的傾向。

 

6.フレーミング効果

  フレーミング効果とは、質問や問題の提示のされ方によって意思決定が異なること。

 

7.確証バイアス

  ある仮説を確認する際、自分の先入観や信念を肯定的に証明する情報を重んじて、

  これに反するような情報は軽んじたり黙殺する傾向にある現象の事。

 

8.バイアスと呪(しゅ)

 

(ここまでで上げたものは、認知バイアスの一種でもあります。

認知バイアスとは、認知心理学や社会心理学での様々な観察効果の一種で、非常に基本的な統計学的な誤り、社会的帰属の誤り、記憶の誤り(虚偽記憶)など、人間が犯しやすい問題のことです。)

 

 重要なことは、こういったバイアスが自分にかかっていないか常に検証し、ニュートラルな状況で経営判断を下すようにすることなのです。

 

外部環境が激しく変化して行く中での企業経営には、心理的な現状維持バイアスを捨て、あらゆる側面のメリット、デメリットを考えて正しい行動(成功行動)を取れる経営者が必要となってくるのです。