改革1-1 プロスペクト理論(損失回避バイアス)

行動経済学の中でも重要な理論に、プロスペクト理論があります。

 

プロスペクト理論は価値関数と確率加重関数の二つの柱からなります。

価値関数は人間が利益と損失に対してどのような満足と不満足を抱くかを説明し、確率加重関数は、人間が確率をどのように評価するかを説明します。

 

下の図をご覧ください。


これは実験から求められた、価値関数グラフと言います。

 

人は、同額の金額を得た場合と失った場合では、失った金額に対する価値が、得た金額に対する価値より上に感じるということです。

 

また、曲線の傾きは原点から遠ざかるに従って緩やかになっていきます。

つまり、利益も損失も、その値が小さいほど人は敏感に反応するということが言えます。

年収1000万の人が1100万になるより、500万の人が600万になったときの方がよりうれしく感じるということです。

 

部下が上司を褒めるとき、叱るとき、この相関図を覚えておくと良いでしょう。

簡単に言えば、褒める回数は叱る回数より、多くなければならないということです。

 

また、利益から得る快感より、損失に伴う苦痛の方が大きく感じられれば、リスク回避を優先しがちになります。

 

リスク回避を優先

   ↓

損失回避性(心理状態)

   ↓

新しいことに挑戦しにくい状態になる

   ↓

新しい考え方を受け入れにくい状態、現状で甘んじる傾向が強くなる

 

これが損失回避バイアスの一連の流れです。