改革1-8 バイアスと呪(しゅ)

 

 ここまで、色々なバイアスについて簡単ではありますが説明してきました。

行動経済学に関して言えば、まだまださまざまなバイアスが定義されています。

 

バイアスとは悪いもの的な考え方もできますが、逆に良い方へ働く場合もあるわけです。

皆で一致団結して事に当たる場合は同調バイアスが必要でしょうし、下手に動いてはいけない場合も現状維持バイアスが良い方向へ働く場合もあるはずです。

 

重要なのは、常にニュートラルな考え方ができているかどうかセルフマネジメントするということです。

 

 夢枕獏という作家の本に、「陰陽師」という作品があります。

陰陽師が唱える呪文のことを、呪(しゅ)と言う表現をし、呪(しゅ)を掛けるという表現をしています。

 

バイアスがかかる、もしくはかかっている状態は、まさしく呪(しゅ)にかかっている状態と言い換えてもいいような気がします。

 

どの企業にも、経営者がかけたバイアス(呪)が掛かっていると言えます。

それが、各企業のビジョンに沿った方向へのプラスのバイアスなら問題ないはずです。

ところが、どんなに上手くいっているような企業でも、必ずどこかにマイナスのバイアスが掛かっている場合がほとんどです。

 

それが、離職率などに現れたりといった目に見える部分に出てくれば良いのですが、目に見えない部分に掛かっている場合、経営者の知らない間に悪い方向へ進んでしまいます。

 

部下が自分の思った行動を取ってくれない場合、常にどんなバイアスがかかっているのか分析し、それに合わせた具体的な指示を的確に出すことで、プラスの方向へのバイアスに変えて行くことこそ重要だと言えるでしょう。

 

経営者のひとことには、強力なバイアスを掛けることができる力があるということを自覚しなければなりません。