前回、企業経営を自動車の運転に例えました。

企業経営は、自動車を所有し運転して目的地に向かっていると考えると非常に分かりやすいと思います。

 

 車輛を購入することが、起業にあたるでしょう。

目的地は、経営者が到達しようと考えているビジョンや企業理念、ミッションに置き換えることができるでしょう。

起業に関しては、Kカーから始まる場合もあれば、ファミリークラスの乗用車を購入する場合もあるでしょう。購入直後から乗っているのが創業メンバーになります。

 

燃料が足りなくなれば補充しなければなりません。

乗る人が独身ばかりならいいのですが、既婚者がいればその家族も乗せなければなりません。

 

ドライバーである経営者は常にハンドルを操作し、目的地に向かって走り続けなければならないわけです。

目的地を見失わないようにナビも必要でしょうし、目的地にたどり着くために電卓片手に経費計算もしなければなりません。

 

大雨や台風の中で運転しなければならない場合もあるでしょうし、車輛の調子が悪くなってくれば整備しなければなりません。

 

アクセルを踏んでスピードを上げなければならない場面もあるでしょうし、逆にブレーキをかけなければならない場合もあります。

 

道路が大渋滞(レッドオーシャン)状態なら、抜け道を使って空いている道を使わなければなりません(ブルーオーシャン)。

上場することが高速道路に入ることなら、早く目的地に着くための方法でもあるわけです。

 

枝分かれした道を選択する仕事も経営者の大きな仕事です。

選んだ道が行き止まりだった場合は、バックして別の道を行かなければならなくなりますし、道路が崖沿いで転落する可能性もあります。

 

もしかしたら、従業員が窓から投げた空き缶が、大事故を引き起こす可能性もありますし、さっき乗ったと思った従業員がすぐに下りてしまうこともあります。

従業員が増えてくれば、車輛を乗り換えて大きくする必要もありますし、CIなどで車輛の塗り替えを行う場合もあります。

 

自動車免許を持っていて自動車を運転したことのある人は分かると思いますが、常に多くの判断を一瞬でやらなければなりません。

 

それでは、経営者が考えなければならない改革とは何でしょう?

 

まず、常に自分が運転している車輛が最上の状態なのか、きちんと把握することです。普段運転していれば、走行の状態、エンジンの音、さまざまな情報から状態を把握しようとしますが、細部に至る部分は専門の技術をもった技術者に見てもらわなければ、判断しようがありません。

 

悪い部分が見つかればそこを直さなければならないわけですが、それが企業における改革になります。

 

例えば、点検という見方をするなら、点検項目が少ない定期点検より点検項目の多い車検用の点検の方が深い部分に潜んでいる悪い部分を見つけ出す確率は高くなります。ディープな部分のサーベイをどれだけ正確にできるかが重要になるでしょう。

 

通常、悪い部分を直す場合は部品が老朽化しているなら取り替えなければなりませんし、そのまま使用する場合でも、オイルを挿してやったり、テンションを調整してやったりしなければなりません。

 

この、サーベイから修理、調整などの作業は、社内的にやろうと思ってもほとんどの場合が不可能です。

それは、社内的なバイアスが掛かっている場合がほとんどで、直そうとする人間自体バイアスが掛かっていれば、正確なサーベイも調整も出来ないからです。

 

この点は、外部の技術者に任せるのが一番良い方法ですし、悪いバイアスが掛かっている場合、それを取り除くことのできる特殊な技術をもった人に任せるのが最善の方法になります。

 

経営者が知っておかなければならないバイアスに関しては、ご理解いただけていると思います。

また、経営者は情報弱者になることもできません。

 

では、どうやって自社にかかったバイアスを理解し、情報弱者にならずに経営していける方法を構築するか。また、健全な経営状態を維持していくために何を改革すれば良いのか。

 

まずは、信頼のおける技術者に自社の状態を深くまで調べてもらって悪い部分を見つけ出すことです。

そして、バイアスを考慮しながら、整備しなければなりません。

掛かっているバイアスが悪いものなら取り除かねばなりませんし、再度プラス方向へ働くバイアスを掛けなければなりません。

 

これこそが、経営者が考えなければならない改革になるわけです。

目に見える悪い部分を改革するのは当たり前の事ですが、目に見えない部分を見つけ出し、適正な改革をしていかなければ、必ずエンジンのスピードが落ちてきたり、タイヤの空気が抜けて燃費が悪くなってきたりします。

 

もう一度考えてみましょう。

 

売り上げの伸びが止まっていませんか?

その原因は何でしょう。

離職率が高いから。

優秀なマネージャーが育たないから。

 

感覚的な判断になっていませんか?

具体的な指示が出せていますか?

 

行動経済学を学び、バイアスを考慮して、論理的に一つずつ解決していかなければ真の改革はできないでしょう。