日本一のホワイト企業

今朝のグノシーの記事で、日本一のホワイト企業として『東ソー』の話が載っていました。

この記事を読んで気づいた点をまとめてみたいと思います。

東ソーでは、3年後離職率が0%だそうです。

ヤマダ電機が3年後離職率33%

レオパレス21が72%の離職率

大卒の3年後離職率が33%程度、高卒の3年後離職率が40%程度らしいですから、

はっきり言って離職率が0%と言うのは驚異的です。

東ソーの2010年入社が、大卒51人、短大卒1人、高専卒5人、高卒65人

 

その理由をまとめてみました。

1. 比較的に早いうちから重要な仕事を任せる

これに関しても、いきなり重要な仕事を任せても、任せっぱなしにしてしまってはプレッシャーでつぶれてしまいます。

周りのフォローが相当しっかりとできているようですし、きちんとした現場重視の共通意識が働いているようです。

 

私は防衛大学校に入りましたが、防衛大では『対番制度』というのがありました。

防衛大学校は全寮制ですが、新入生には一人の専属の2年生が付いて手取り足とり学校生活に関して教えてくれます。

各学年ごとに対番は繫がっていますので、一人の新入生に2年生、3年生、4年生それぞれの対番がいますから、

兄弟制度は一本に繋がっていきます。

全国から集まった新入生は、厳しい寮生活に対してさまざまな不安要素を抱えていますので、それをフォローするのが

『対番制度』でした。私は2年の時に大学を辞めてしまいましたので、その時の対番の1年生の事は3年生の対番に任せましたが、

今でも1年制の対番の生徒の心細そうな顔を思い出します。(かわいそうなことをした、と今でも思ってしまいます。)

東ソーでは、「自分だけで抱え込むな!周りの先輩やベテランを頼れ。頼るのは悪い事じゃない!」と教えられるそうですが、

企業によっては、聴く事が出来ない空気みたいなものを創り上げている職場もありますので、東ソーの場合は、企業風土自体が

こういった考え方に基づいているんでしょう。

営業の現場も、個人任せの組織もあればチームプレイ優先のところもあります。どちらが成績が良いかは言わなくても分かると思います。

 

2. 地元との結びつきが強い

昨今の若者に敬遠されがちな工場勤務の従業員が、東ソーでは誇りを持って働いているそうです。

これは地元との結びつきが深く、企業自体が地元に浸透しているからだそうです。

従業員が誇りを持って働ける会社にするには、さまざまな努力と時間が必要だと思いますが、それでもそこまで考えて

組織作りをやっていこうとする会社側の考えが非常に重要だと思います。

 

3.上司の役割について

東ソーでは、問題がある場合は問題のある製造部などの部長や課長が、本来どうあるべきなのかを改めて検証するそうです。

製造の現場を一方的に責めるのではなく、管理職がもっと良い方法があったはずだとして認識し、再検討するそうです。

上司の本来の役割をしっかりと認識しているからこそ、こういった動きになるのでしょう。

他責にしてしまうような考え方では、上の役職には就けないと言うことです。

 

4.人間関係が原因で辞めて行く社員がいない

これは3にもつながると思いますが、新入社員たちが友達が他の会社に入って人間関係で辞めて行くことを聞くと、

不思議に思うそうです。東ソーでは相談できる環境づくりが徹底できているようです。

また、営業部にはノルマはないそうです。

これは、化学メーカーという性質上結果が出るまでに時間が掛かることを会社側が理解し、成果だけを求めることを

していないからだそうです。

研究職も営業職も、一人ひとりの仕事への取り組み方やプロセスを重視して評価しているそうです。

私は成功行動理論を提唱していますが、営業の現場などはつい成果しか見ない場合が多くなってしまいます。

『営業は所詮結果が全て』という概念が、根強く残っているからです。

無能なマネージャーは、成果が出ない営業に対して結果しか見ないで、抽象的な指導しかできません。

営業活動において、結果しか見ないマネージャーというのは、完全に手を抜いているとしか言えません。

優秀なマネージャーは、部下の営業がどういった行動をしているのかをしっかりと見ています。

その上で結果が出ない事に対して何が原因かをはっきりと理解し、それを明確に指導します。

 

ノルマに関しては、私はノルマとは営業自身が自分に対して課すモノであると考えています。

営業ですから常に数字との闘いです。そこには甘えは許されません。

上長が課すものではなく、営業自身が自分に対してノルマを課してそれを目標にやるべきだと考えています。

営業は捉え方次第で、楽しい仕事にも、やりたくない仕事にもなってしまいます。

組織自体の営業に対する考え方を変えなければ、離職率の高い現場、になってしまうでしょう。

 

5.東ソーはアフター5を積極的にバックアップする会社

東ソーでは、社員食堂で夜9時までお酒が飲めるそうです。そこで懇親会が行われ、若手からベテラン社員、役員までが

一緒に飲みながら語り合うそうです。

飲み会に対する補助もあるそうですが、最近の若い人たちは、「何で仕事が終わってからも、休日をつぶしてまでも

社内行事に出なきゃいけないんですか?」と考える人が多くなっていると思います。

そういった考え方も確かにあるのでしょうが、企業風土自体をきちんと理解している人が入ってくるから

辞める人もいないのでしょうね。

また、東ソーでは社員旅行を部署ごとに行っているそうですが、それを楽しみに頑張っている社員も多いようです。

仕事は組織(チーム)で行うわけですから、連帯感が重要です。連帯感を強めるために、多くの行事が行われているようです。

プライベートを知ることが、相手を理解する近道でもありますから。

 

人事部長のかたのお話しに、かつて上司に言われたあるべき論を考えろという言葉があるそうです。

 

「例えば営業だったら『営業のあるべき論』とはなにか。営業は物を売るだけではないんだと。

事業として一つの製品を営業の立場で任されるのなら、その製品がどうあるべきなのかということを考えろと。

物を売るのは一つの仕事だけど、その物を売るために工場で作っている人たちがいる。

作っている人たちがいるから売れる物がある、と繰り返し言われました。

一生懸命、自分自身で自分の仕事を考える。そして、その姿を上司や会社が見てくれている。

ひとりぼっちじゃない。そこがこの会社に勤め続けたいという理由になっているのではないでしょうか」

離職率0%の会社とはこういった会社です。

やはり、まわりがどれだけ『人を成長させる』という視点を持っているかどうかによって、離職率は変わってくるのではないでしょうか。

この記事の中には、本来企業が持つべき姿が集約されていると思います。

企業自体が何のためにあるのか、もう一度原点に返って考えてみてもいいのではないでしょうか。