『足で稼ぐ営業』が効果的なワケ

今朝は、こういう記事が掲載されていましたので、ロバート・ザイアンスの単純接触効果に関して言われるところの、営業の訪問回数に関して考えてみたいと思います。

アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが提示した、「ある刺激に繰り返しさらされることで、

刺激に対する態度の変化が生じる」という『単純接触効果』。


これが営業の世界では、足で稼ぐことは有効である、という考えの元になっています。

単純接触効果に関しては、TVCMなどでは当たり前のように使われているわけです。


営業の基本は、相手に信頼されること、です。

相手に信頼されるためには、やはりどれだけコミュニケーションが取れるか、になると思いますので、

マメに顔を出していることは、重要です。

ただし、相手にしつこいと思われると、今度は逆に単純接触効果がマイナスに働く場合もありますので、注意が必要です。

相手に合わせた、単純接触回数を見極めることも営業の重要なポイントになるでしょう。


昔、新規開拓営業をしている時に使ったのが、とりあえず仕事がもらえなくても毎日顔を出し続ける、という方法です。

新規開拓でいきなり仕事が貰えるなどと、こちらにとって都合の良い話はほぼありません。

この場合、あらかじめプリフレームで断りを入れておく必要があります。

『ここら辺は私が毎日廻っているルートなので、お仕事なくても結構ですからとりあえず声を掛けさせて頂いても構いませんか?』

そして実際に毎日声を掛け続けました。ルート上から多少外れていたとしても、毎回2~3分の営業活動でしかありません。

そんなにストレスが溜まることもありませんし、毎日顔を合わせている人たちとは自然と顔見知りになります。

店長さんからたまにお茶に誘われることもあったりして、話をしているうちにこちらのことも相手に知ってもらうことが出来ました。

もちろん相手の状況も少しづつ聞き出すことが出来るようになります。

そして、別の会社に出していた仕事を少しづつ出してくれるようになりました。


所謂、御用聞き営業、というやり方です。

昔お世話になった社長さんに良く言われました。

『ミーちゃんよ。(昔はミーちゃんと呼ばれてました)下請けでお茶しててもしょうがないぞ。暇つぶしするんならお客さんとこでやれ。

営業はどれだけお客さんのところに行くか、だぞ。』

この言葉に全てが凝縮されています。


毎日行っても話がない、とか、ネタに困る、等言う方もいらっしゃいますが、プリフレームで断りを入れておけばいいだけです。

『ウチの会社、お客さんのところへ行った回数目標が設定されていて、定期的にお伺いしなければならないんです。

お邪魔にならないようにしますので、顔だけ出させて頂きたいんです。』

きちんと断りさえ入れておけば、顔だけ出しました、でいいのです。

そうやって、相手と顔を合わせる回数を増やしていくことで顔見知りになれれば、時間のある時には話をしてくれることがあるかもしれません。

コンサルティングセールスにはヒヤリングスキルが重要ですが、更に重要なのはその前の段階です。

良く知らない相手に対して、重要な話は普通はしてくれませんから。


今回営業方法に関して書いていますが、ついでなのでもう一つ私の経験を書いておこうと思います。

初訪から2年後に仕事を頂いた例です。

その部長さんとは、本業とはまったく別の仕事で知り合いになりました。

実際にお金になる仕事には結び付きませんでしたが、いろいろお手伝いさせて頂きました。

それほど頻繁に顔を合わせて頂いていたわけではありません。本業の方では他の会社に仕事を出されていたのは知っていましたが、

会社全体の付き合いの関係から、ウチに仕事を出してもらうことは難しいと考えていました。

その後、その会社の体制が大きく変わることがあり、その際にお願いして本業の方で入らせて頂く事が出来ました。

『以前からお付き合いしている会社もあるから、いきなり仕事は出せないよ。』と、当時の業務担当部長から言われました。

『もちろんです。今出されている会社も我々は知っています。とりあえず毎日朝と午後に顔を出させていただきますので、

何かお手伝いできることがあればその時に声を掛けて頂ければと思います。』

そうやって、毎日2回顔を出すことにしました。毎日2回も行っていますので、中で仕事をしている人たちともすぐに仲良くなります。

色々と情報も増えてきますし、他社は一日1回しか顔を出していませんでしたので、回数的にはこちらが上です。

また地の利もありましたので、最終的にはこちらへの発注数が増えて、すぐにこの企業の月の売上高は

(私が依然勤めていた会社では)2番目まで大きくなりました。


今回のお話は、営業活動はすぐに成果に結び付くわけではないと言うことです。

効率だけ追い求めて、営業活動の本質を忘れないようにしないと成果には結び付きません。

とにかく単純接触回数を増やすために行動数を増やすしかありません。

売ろうとする営業は、兎角営業手法にこだわる傾向があります。魔法の営業手法はありません。

私は行動経済学・行動分析学・交流分析学や心理学も色々学びましたが、トークだけで相手に売り込む手法は、

誰にでもできるわけではありませんし、完璧ではありません。

最終的なお客さまの判断基準は、この営業(この会社)は自分(自社)にとって、どれだけ有益か(どれだけ頑張ってくれるか)です。

誠意を持って営業活動に当たらない限り、相手にはすぐに分かってしまいます。


さまざまな業界でトップセールスの位置にある人たちも、最終的には皆同じです。

信頼関係をどれだけ結べるか、そのためにはどれだけ接触回数を増やせるか、になってきます。 

小手先の手法にこだわるのではなく、営業の本質に戻って足を使ってみてはいかがでしょうか?