なぜ、経営者がスーパージェネラリストになれないのか?

今回も前回の続きで、田坂教授のコラムから経営者に必要な思考力に関して考えてい見たいと思います。

元のコラムはこちらです。

田坂教授は、経営者や起業家マネジャーやリーダーならば、誰もが、意識的・無意識的を問わず、この「7つのレベルの思考」を行っていると言います。


 例えば、経営者ならば、誰もが、古典の「思想」を学ぶときもあれば、会社や組織の「ビジョン」を描くときもあります。

また、部下や社員に対して自分の「志」を語るときもあれば、企業や事業の「戦略」を立て、対外的な交渉の「戦術」を考えるときもあります。

さらに、部下や社員に対して営業やプロジェクト・マネジメントの「技術」を教えるときもあれば、朝礼で「人間力」について訓示をするときもあるでしょう。

 経営者ならば、誰もが、多かれ少なかれ、そうしたことを行っています。


ここで、経営者が乗り越えるべき3つの問題について触れています。

第1の問題は、「7つのレベルの思考」に粗密があり、アンバランスだということ

第2の問題は、「7つのレベルの思考」のそれぞれが、深まっていないこと

第3の問題は、「7つのレベルの思考」が、互いにシナジーを生み出していないこと

この3つの問題を取り上げられていますが、逆を言えばこの3つの問題さえクリアできれば、1ステップ上の思考力が手に入るのではないでしょうか?


第1の問題に関しては、

すなわち、ある程度、この「7つのレベルの思考」を行っている経営者や起業家、マネジャーやリーダーでも、

この「思想」「ビジョン」「志」「戦略」「戦術」「技術」「人間力」の7つのレベルの思考力に、得意、不得意があり、

それらの思考力にバランスが取れていないのです。

 例えば、収益を上げるための経営戦略や営業戦術については卓抜なものを持っているが、高い志や使命感、

さらには人間力を、あまり感じさせない経営者もいますね……(笑)。

残念ながら、グローバル資本主義の時代になって、そうした経営者が増えているような気がしますが……(苦笑)。


この点は私自身顧みないといけない事だと思います。 確かに得意不得意はありますが、常に前向きに自分自身の弱点を見つけて

それを強くしていく必要がありますね。そのためには、他者のアドバイスを謙虚に聞く必要があると、常々思っています。


第2の問題に関しては、

例えば、部下や社員に対して「思想」を語っても、単なる「教養」としての思想を語っているだけの経営者やリーダーがいます。

何かの本で読んだ思想や、識者の講演会で聴いてきた思想を、単なる「知識」として語るだけの経営者やリーダーです。

 しかし、本来、「思想」というものは、目の前の現実を変革するための「優れた手段」であり、「思考の道具」なのですね。


例えば、「ビジョン」を語っているつもりで、単なる「目標」を語っているだけの経営者やリーダーがいます。

また、抽象的な「理念」を語って、「ビジョン」を語っていると錯覚する経営者やリーダーもいます。

 そもそも、「ビジョン」とは、その言葉の語義通り、「未来に何が見えるか」ということであり、

「これから未来において何が起こるのか」を語ることです。それは、「目標」や「理念」とは全く異なったものです。

 そのことを理解していない経営者やリーダーの方が多いですね。


そもそも、「志」を語ると称して、単なる「野心」を語っているだけの経営者やリーダーがいます。

この「志」と「野心」の違いを理解しないかぎり、「志」のレベルの思考は、決して深まらないでしょう。


これに関しては、私自身の経験と照らし合わせても、その通りという場合が多く見受けられます。

経営者としてリーダーとして語る時は、こういった勘ちがいに注意した方がいいでしょう。


第3の問題に関しては、

 いま申し上げたように、経営者やリーダーにとって、この「7つのレベルの思考」を、

それぞれのレベルで深めていくことは大切なことですが、さらに大切なのは、あるレベルでの思考が、

上下のレベルの思考と好影響を与え合い、シナジーを生み出すことです。

 すなわち、「7つのレベルの思考」を本当に深めていこうとするならば、それぞれのレベルの思考を深めるだけでなく、

異なったレベルの思考同士がシナジーを生み出さなければならないのです。


端的に言えば、思考における「上向過程」と「下向過程」を大切にすることです。

それを行なえば、自然に「垂直統合の思考」が促されます。

 まず、「上向過程の思考」とは、下位のレベルの思考を、上位のレベルの思考でチェックするということです。

例えば、ある「戦術」を検討しているとき、その戦術が「戦略」のレベルから見て、基本戦略を歪めるような逸脱をしていないかをチェックすることです。

また例えば、ある「ビジョン」を検討しているとき、そのビジョンが、「思想」のレベルで予見され得るものであるかどうかをチェックすることです。

そうした「常に一つ上のレベルから物事を見る」という思考のプロセスを、「上向過程の思考」と呼びます。

 これに対して、「下向過程の思考」とは、上位のレベルの思考を、下位のレベルの思考でチェックするということです。

例えば、ある「戦略」を検討するとき、ただちに、その戦略が具体的な「戦術」のレベルで実行可能かをチェックすることです。

また例えば、ある「戦術」を検討するとき、それを実行できるスキルやテクニック、すなわち十分な「技術」があるかをチェックすることです。

そうした「常に一つ下のレベルから物事を見る」という思考のプロセスを、「下向過程の思考」と呼びます。


ちょっと難しくなってきましたが、各レベルでの考え方を上向き下向きでチェックしていくことで矛盾が起きないように考えて行くということでしょう。

(1)7つのレベルの思考を、バランス良く身につけていく

(2)7つのレベルの思考を、それぞれのレベルで深めていく

(3)7つのレベルの思考を、垂直統合して、シナジーを生み出していく


「思想とは、思考の道具である」

「ビジョンと、目標や理念は違う」

「志と野心は、似て非なるものである」

「戦略とは、戦(たたかい)を略(はぶく)こと」

「戦術とは、固有名詞で語られるもの」

「技術とは、言葉で表せない暗黙知である」

「人間力とは、人間との格闘からしか掴めない力である」


営業マネージャーとしても、経営者としても必要な思考力だと思いますので、コラムの続きは引き続きフォローしたいと思います。

私自身は、経営者のビジョン達成のお手伝いをするというポジションでコンサルティングを行っていますが、

今回の思考法は最強の組織作りにも繋がる、重要な思考法ではないかと思っています。

最終的にもう少しシンプルにまとめて、単純化出来ればと思います。