なぜ長寿企業は「人材育成」が上手なのか

今朝のITニュースに、

東洋経済オンラインの『なぜ長寿企業は「人材育成」が上手なのか』

というタイトルの記事がありましたので、中小企業の人材育成に関して

考えてみたいと思います。

元の記事はこちらです。


OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)とは、多くの企業で用いられている人材育成の方法です。職場の上司や先輩が部下や後輩に対して具体的な仕事を通じて、仕事に必要なスキルと考え方を習得させる企業内教育です。

はっきり言わせていただければ、多くの中小企業でOJTという言葉が使われていますが、多くの企業が『なんちゃってOJT』になっています。少し教えたら後は本人任せの場合がほとんどで、マネージャーも自分の成果を出すことに必死で部下の面倒を見る時間を作れません。OJTではなく、他の人の仕事を見て覚えなさいになっています。

会社によって違いますが、

1.なんちゃってOJT

2.OJTっぽい仕組み

3.とりあえずセミナーまかせ

こんな感じのところが多いですが、きちんとした社内教育システムの仕組みを作っているところほど、離職率の低下や業績に反映されている場合が多くなります。

記事内には、さまざまな社内教育の要点が掲載されていますので参考にしてもらうとして、今回は社内教育とマネージメントに関して要点をまとめてみたいと思います。

教えることが出来ない

 多くの中小企業で、とりあえず一週間程度現場で教えたら後は本人任せにしてしまうところが多いのは、特に営業の現場などがそうですが、教えることが出来る人材がいないことが原因です。

営業職は基本、本人任せになる場合が多い職種です。それは、論理的に営業と言う仕事を教えることが出来るマネージャーが少ないためです。なので、成績の良い先輩の真似をさせる、という考え方になってしまいます。

 ただし、その個人の性格や特性がありますので、ただ単に営業成績の良い先輩のやり方を後輩が真似て、同じような成績が残せるかと言うとそうではありません。イチローを真似しろ、と言っても、皆がイチローになれるでしょうか?


セミナーまかせ

 また、セミナーを受けさせれば、という考え方も注意が必要です。

ビジネスマナー程度のセミナーなら自社で教えれば十分ですし、セミナーを受けさせておけば大丈夫と、安心してしまうのがとんでもない間違いです。

 本を読む人は多いと思います。ビジネスマンならビジネス書であったり、自己啓発本などさまざまな本を読みますが、セミナーを受けさせるというのは、本を読ませるのと同じです。

本を読んでその内容を自分の中に取り入れて活用できるのは、ほんの数パーセントの人たちだけです。恐らく2~3%でしょう。

それと同じように、セミナーを受けて自分自身に取り入れてステップアップできる人もその程度の割合しかいません。

読んだ本にどれだけ素晴らしい事が書いてあっても時が経てば忘れてしまうように、その時はどんなに素晴らしい内容だと思うセミナーでも、時が経てば忘れてしまいます。

行動分析学の観点から言えば、継続していくことこそが重要で、ほぼ全てと言っても良いくらいのセミナーが無駄な投資になっています。

 この点に気づいている経営者は、必ず自社で教育の仕組みを作っています。自社で教育の仕組みを作っている企業ほど、業績が安定して離職率も低い傾向にあります。

セミナーが全く無駄だとは思いませんが、セミナーをやっている本人たちが『90%以上の参加者にとっては無駄だよ』と言っていますので、ある意味真実ではないでしょうか。

 私が経営者なら、セミナーを受けさせるのは一度だけにします。

そのセミナー参加者には釘をさしておきます。

『今回のセミナーを当社で受けるのは、今回が最初で最後です。今後はこのセミナーに参加した君たちに、社内で同じ内容のセミナーを新入社員に対してやってもらいます。なので、自分がセミナー講師になるつもりでセミナーの内容を聴いてください。』

 これを延々と続ければ良いと思いませんか?勉強するということは全てにおいてそうですが、自分が誰かに教えるつもりになって学ぶことが一番です。そうすることで、無駄なセミナー費用が不要になります。


成果を行動と結果で見る

 マネージメントを勘違いしているマネージャーは多いですが、結果しか見ることが出来ないマネージャーほど無能なマネージャーと言えるでしょう。

優秀なマネージャーほど行動を重視して見ています。成績の良い営業マンがどういった行動をとっているのか、誰がどんな行動をしているのかきちんと把握できているマネージャーほど、優秀なマネージャーと言えます。

どんなに優秀な成績の営業マンでも、どんな行動をしているのか必ず見ていなければなりません。

それがマネージャーの仕事なのです。

良くある言い訳に、

『忙しくて、部下の行動までいちいち見ていられない。』と言うのがあります。

この言い訳が通用するとすれば、部下の『忙しくて日報を書いている暇がありません。』が通用することになります。

仕事に関してはすべてそうですが、どんなにすばらしい仕組みを作ってもそれが継続されなければ意味がありません。重要なのは、成功行動を積み上げることのできる仕組みを作り、それを継続していく仕組みを作ることです。

それほど難しく考えることもありません。最高のやり方を自分達で模索していくことも必要ですが、ベンチマーキングで他社が取り入れて上手くいっている仕組みを真似すれば良いのです。

何でもそうですが、自分達は特別だから、という考え方があります。『ウチの会社は特別だから』『我々の仕事は特別だから』という考え方です。こういった場合、特別だと思っているのは自分達だけ、というパターンがほとんどです。

もう少し、頭を柔軟にしてみてもいいのではないでしょうか?